プロローグ2



サングラス、そしてマスクをしている男。いかにも怪しげな。
手にはアタッシュケース。金でも入ってるんだろうか。。
年齢はサングラスとマスクで分からない。
若いような、それとも中年のおじさんなのか・・・。
黒いコートの男は、興河の背中をポンッと押すと意味ありげに微笑んだ。
興河が振り向くと、
「やぁ、君は、、、峯崎興河君ですよね??」
「そうですが、、あんた誰?」
「すいません。私は、如月二千翔(きさらぎにちか)というものです。」
「あぁ、、そうですか。それでなんの用ですか??」
「私、あなたを探していまして・・.。それが、、あなたのその"玉"を頂きたいんですよ。
お金にも困っているようですし。あ!お金ならいくらでも出しますので。」
男は率直に言った。
興河には何故この玉が欲しいのか理解できなかった。
幼いころ、両親に大切にしておかなくてはいけない。そう言って興河の首にかけた。
何故か。何度も聞いたが理由までは教えてはくれなかった。
確かに、この玉よりも金の方が欲しい。
今、玉と金を天秤にかけたら金の方が重いだろう・・・。
「いいですよ。そんで、いくらくれるんですか?」
「ほんとですか!!今、持っているお金だと、500万ですが。。」
!!!!
興河にとって500万は大金だ。
この金が手に入れば、俺は、、、生活できる!!
だが、、もっと!もっと金が欲しい!
興河は無理を承知でも、もっと言ってみよう!そう思った。
恥ずかしくなんてない。俺には金が必要なんだ!
「あの〜。。もっと用意できませんか??」
「そうですね。。。今は持ち合わせがないので、後ほどでしたらあと800万は用意できますが。」
やった!!!
でも、、さすがにもう値上げは無理だろうと感じた興河は、この機会を逃すものかと言うばかりに返事した。
「分かりました!!お願いします。」
「では、先に500万お渡しします、玉を・・・。」
「はいはい、玉ね!!どうぞ、どうぞ!!」
この時、玉を受け取った二千翔は勝ち誇ったように小さく笑った。

興河には金に目がくらんだ。
金のために、玉の重大性に気付かなかった。

このことを後悔するだろう。
いや、後悔する間もないまま彼はこの世を去るだろう。。。


プロローグEND.