プロローグ1



夜の街。
ひときわ光り輝く、夜の街に一人の男が歩いていた。
見た目は18歳前後。
みすぼらしい服にやつれた顔。
もう何日も寝ていないことを強調するようなくま。
頬はこけている。
ただ、一つ、首から下がっているうすい紫色のような玉。
これだけは、生き生きとしているようだった。
このままじゃ生きてはいけない。
男はそう感じていた。
だが、親もいない。働く場ももうない。
男の名は、"峯崎興河(みねさきこうが)"。
彼が幼い時に両親は他界。
その後、施設に入れられそこで育った。
中学卒業後、高校には進学せず働く道を選んだ。
その結果、こうなった。
彼はコンビニでのアルバイトで生活していたが、
大学生のアルバイト希望者が多数きたため、追い出された。
━━━そんなことあっていいのか。俺は一生懸命に働いてきたのに!!
興河は現実にぶち当たった。
中卒の俺よりも、現役大学生をとったコンビニが許せなかった。
たった一つの小さなコンビニごときに。

その夜、興河の後を黒いコートの男が歩いていた。

つづく。